秋の七草って全部知っていますか?
『萩(はぎ)、尾花(おばな)、葛(くず)、撫子(なでしこ)、女郎花(おみなえし)、藤袴(ふじばかま)、朝貌(朝顔・あさがお)』が秋の七草です。
これを聞いて、朝顔(あさがお)は夏の花なんじゃないの?と不思議に思いませんか?
朝顔(あさがお)は夏の花なのに秋の七草に入っているのには、何か理由があるのでしょうか?
そこで今回は、秋の七草に夏の朝顔はなぜなのか?また「あさがお」が桔梗(ききょう)の理由について調べてみました!
秋の七草に夏の朝顔(あさがお)が入っているのはなぜ?
引用:https://www.photo-ac.com/
まず、秋の七草の由来とされるものは、万葉集に収められた山上憶良の歌だと言われています。
万葉集が完成したのは、7世紀後半から8世紀後半の奈良時代末期です。
奈良時代には、朝顔(あさがお)と呼ばれている花が数種類あったと言われています。
なんでも、朝に咲く綺麗な花のことは全部『朝顔(あさがお)』と呼んでいたのだそうです!
また、この頃の日本にはまだ、現在の朝顔(あさがお)があったのか微妙な時期だったようです。
朝顔(あさがお)の原産地はは中国で、奈良時代末期~平安時代初期に遣唐使によって日本に伝わったと言われています。
これらのことを踏まえると、秋の七草に今でいう夏の朝顔(あさがお)が入っている、というよりは、秋の七草の朝貌(朝顔・あさがお)は今でいう朝顔(あさがお)とは別のものである、という方が正しそうです!
秋の七草の朝顔(あさがお)が桔梗(ききょう)の理由は?
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それでは、秋の七草の朝貌(朝顔・あさがお)は現代でいうと何になるのでしょうか?
これには、昼顔(ひるがお)や木槿(むくげ)ではないか、という説もありますが、最も有力な説は、『朝貌(朝顔・あさがお)=桔梗(ききょう)』です。
これには下記のような理由があります。
まず、昼顔(ひるがお)は暑い夏の昼に咲く花であることから、当てはまらないと考えられます。
次に、日本最古の漢和辞典「新選字鏡(901年頃)」には、桔梗(ききょう)の説明として、『阿佐加保(アサカホ)』と記されています。
ここから、『朝顔(あさがお)=桔梗(ききょう)』が通説となりました。
最後に、桔梗(ききょう)の原産地は日本や朝鮮半島、中国と言われています。
古くから日本に生息し、明智光秀や坂本龍馬などの家紋にも使われるなど、秋の野に咲く花として人々に愛されてきました。
木槿(むくげ)は原産地が中国であることから、朝顔(あさがお)が例えられたというのは考えにくい、ということです。
尚、万葉集では朝顔(あさがお)を詠んだ歌が5首収められています。
その中のひとつに、このような歌があります。
『朝顔は 朝露負ひて 咲くといへど 夕影にこそ 咲きまさりけれ』(作者未詳)
これは、『朝露は朝露を受けて咲くというけれども、夕方の光の中でこそ、咲いている姿が一層際立っているなぁ』という意味です。
この歌から、ここでいう朝顔(あさがお)は朝に咲いて夕方に咲いている姿が映える花であると考えられます。
今でいう朝顔(あさがお)や候補の一つの昼顔(ひるがお)は、夕方にはしぼんでしまいますよね。
ここからも、朝顔(あさがお)=桔梗(ききょう)説が有力であると言えそうですね!
秋の七草に夏の朝顔(あさがお)が桔梗(ききょう)の理由についてまとめ!
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秋の七草の朝顔(あさがお)が桔梗(ききょう)と言われる理由は、時期的なことの他に、朝顔(あさがお)の歴史なども関係していたんですね!
今でこそ、朝顔(あさがお)は夏の風物詩として日本人に馴染み深いですが、原産地が中国で輸入されてきたものだとはびっくりです!
また、桔梗(ききょう)ですが、こちらは現在絶滅危惧種となっているようです。
古くから日本人に愛されてきた植物なので、しっかりと未来に残せるように、大事にしていきたいですね!
最後までお読みいただきありがとうございました。